災害時に足りないと感じた食材１位は野菜！食料備蓄に野菜を取り入れる工夫

阪神・淡路大震災の発生後、一番食べたかったものは何か。料理名を一つ答えてもらいました（1995年4月　避難所生活者270人に対する聞き取り調査―男107人、女163人、避難所数9か所―神戸市4、芦屋市3、西宮市2）。回答の料理を分類すると「野菜類」が34.4％で最も多く、魚類、肉類を上回りました（図1）。

東日本大震災でも同様のことが起こります。岩手県野田村役場では、栄養士の聞き取り調査により、便秘・野菜や魚類の不足・義歯の不具合・口内炎・肌のトラブル・血圧の上昇・運動不足・不眠・疲れ・食欲不振などの問題があることを知りました。そこで便秘を訴えた人にサプリメントや野菜ジュースなどを配って対応した結果、便秘が減少しました（図2）。

災害時は野菜が不足しがちです。平常時からなるべく日持ちしやすい野菜（人参、カボチャ、タマネギ、ジャガイモ等）については少し多めに買うようにして、こちらもローリングストックしておきましょう。

野菜の缶詰の備蓄も栄養摂取のために備えとしてあると良いと思います。また、乾燥野菜、ドライフルーツ、ひじきやわかめ、切り干し大根など乾物も備蓄に便利です。

災害時には野菜がとりにくい環境に追いやられますが、仕方がないでは済まされない事態です。事前に準備しておくことを心がけましょう。そのためには野菜の缶詰、レトルト食品などを毎食1つ備蓄することを勧めます。それでも足りませんから、野菜ジュース缶も1食1本程度備蓄することを勧めます。