こんにちは。「力尽きたときのための簡単レシピ」の中の人、犬飼つなです。
疲れたときに自炊しようとしても、なかなか難しいですよね。作れても1品だったり、丼もので簡単に済ませたり、もはや生食パンをそのまま食べたり……。
体力をなるべく使いたくないけれど、食卓を多少賑やかにしたい……そんなときにオススメなのが、「炊飯器での2品同時調理」です。
今回は、炊飯器調理のメリットやコツに加え、「おかずとメインを同時に作れる簡単レシピ」を紹介します。
炊飯器調理のメリットとは?
1. 炊いている間は自由時間!
炊飯器調理のメリットはずばり「炊いている間に何の心配もなく他のことができる」です!
鍋やフライパンで火を使っていると火事や吹きこぼれが心配で、その場を完全に離れるのはなかなか難しいですよね。炊飯器なら、釜をセットしてスイッチONしたら、炊けるまで完全なフリータイムです。その間にお風呂に入ったり、家事を済ませたり、ゲームに熱中したり……約1時間、好きに過ごすことができます。最高ですね。
2. 放置してしまっても焦げ付く心配なし!
フライパンや鍋を火にかけたまま、ちょっと手が離せなくてうっかり放置してしまうと、煮詰まって焦げてしまうことがありますよね。
しかし炊飯器なら、炊けたあとは保温モードになるので、ホカホカしているだけです。焦げ付く心配がありません。「ちょっとこのボス倒してセーブするまで待って……!」という状況でも安心です。
3. 火加減の調節不要なので初心者さんでも安心!
さらにもうひとつメリットが。それは、「火加減を調節する必要がないので料理初心者でも失敗が少ない」ということ。
レシピに「弱火で10分煮込む」と書いてあっても、自分で用意した鍋の大きさや具材の量によって、ある程度煮込む時間や火の強さを調節しなければいけません。いざ蓋を開けても全然火が通っていなかったり、逆に煮詰まりすぎていたりといった失敗をしやすいのが料理の難しいところ……。
炊飯器ならそのあたりの心配がありません。スイッチを押して放置するだけなので、火加減や煮込み時間の難しい調節は不要です。本当にこの火加減でいいのかしらとドキドキしたり、「弱火 中火 違い」と検索したりする必要もありません。料理初心者に優しい調理方法といえます。
炊飯器調理のコツは?
とっても簡単で初心者にも簡単な炊飯器調理ですが、万が一にも失敗しないためのコツがいくつかあります。レシピにたどり着く前に、頭の片隅に置いておいてください。
1. 炊飯器の種類を把握しておこう
炊飯器はいろんなタイプがあり、大きく分けて「マイコン」「IH」「圧力IH」があります。
加熱の強さが異なるので、例えば一番火力が弱い「マイコン」を使っている場合、「レシピ通り作ったのにお肉が柔らかくならない」「ケーキに火が通らない」となることもあります。
その場合は、具材を小さく切ったり2回炊飯したりするなど、工夫しましょう。
2. 食材を詰め込みすぎない
3合炊きの炊飯器は意外と小さく、材料が入りきらないことも。無理に入れて炊くと、蒸気口から噴きこぼれることがあります。
材料が多い場合は、半量で作るなどして調節し、炊飯器の目盛りの上限を超えないように注意しましょう。
3. 炊き込みごはんは水を気持ち少なめに
本記事でも紹介しますが、お米と具材をいっしょに炊けば、手軽に炊き込みごはんを作れます。が、具材から水分が多少出るので、お米を炊くための水は気持ち少なめにしておきましょう。普段通りの水分量だと、仕上がりがべちゃっとしてしまいます。
4. クッキングシートを活用しよう
炊飯器調理で2品同時調理を可能にするワザがこれ!一般的な炊飯器レシピでは、基本的には1品しか作れませんが、クッキングシートを活用すれば同時に2品作れます。
クッキングシートは「水蒸気はほどよく通し、水分や油分は通しにくい」という性質があるため、「食材を蒸す」のに適しているんです。
例えば、野菜を包んでお米の上にのせて炊けば、それだけで蒸し野菜が完成。とても便利で光熱費も節約できるので、オススメですよ!
5. 酢を使わない
料理の失敗につながる訳ではありませんが、炊飯器調理の際の注意点です。
炊飯器の内釜にフッ素加工等してある場合は、説明書にも書いてありますが「酢」を使うと内釜の加工が傷みやすくなります。酢を使う料理は炊飯器以外で作りましょう。
炊飯器で同時に2品作れる簡単レシピ
ここまで炊飯器調理の素晴らしさについて説明してまいりましたが、いよいよレシピを紹介します。
1品調理で煮込みなど作るのもよいですが、ちょっとした工夫や使う食材次第で2品同時に調理できるのは本当に便利。大きな洗い物は炊飯器の内釜だけなので、後片付けもとっても楽ですよ!
3つのレシピを紹介しますので、気分にあわせてぜひお試しくださいね。
ほろほろ鶏と舞茸ピラフのカオマンガイ風
鶏もも肉をお米にのせて炊くことで、鶏のダシを吸った旨味たっぷりのピラフになります。ほろほろに崩れるほど柔らかくなった鶏肉を、さっぱりした特製ダレにつけていただきます。
材料(2人分)
- お米 1合
- 鶏もも肉 1枚
- パプリカ 1個
- 舞茸 1/2袋
- 顆粒コンソメ 小さじ2
- コショウ 適量
- ポン酢 大さじ2
- 砂糖 小さじ1
- ごま油 小さじ1
- チューブにんにく 5mm
作り方
- 舞茸を適当な大きさにほぐし、パプリカは2cm角くらいに切っておきます。
- 炊飯器の釜に研いだお米1合と水(分量外)を入れたら、顆粒コンソメを小さじ2加え、1の舞茸とパプリカをのせます。
- 鶏もも肉を2の上にのせたら、炊飯器で炊きます。
- 炊いている間にタレを作ります。ポン酢大さじ2、砂糖小さじ1、ごま油小さじ1、チューブにんにく5mmをしっかり混ぜ合わせます。
- 炊けたら鶏もも肉を取り出し、箸でほぐします。
- ピラフにコショウを適量ふって、よく混ぜたら完成です。
サラダと一緒にワンプレートに盛りつければオシャレになります!
鶏肉をたっぷり食べたい!という場合は、手順3で鶏もも肉の上にクッキングシートを敷いて、その上にもう1枚鶏もも肉を広げて炊飯しましょう。そうすれば、お肉同士がくっつくことなく、2枚の鶏もも肉を調理できます。
手順1に「パプリカを2cm角くらいに切っておく」とありますが、このためだけにまな板を洗うのは面倒ですよね。そんな時は、アボカドのように包丁でくるっと一周刃を入れて半分に割った後、ヘタ部分を手でむしり取り、適当なサイズに割く(ちぎる)という豪快な方法でもOKですよ。
ちなみに、余ったピラフは冷凍保存もできます。
豚ごぼうサラダと和風炊き込みごはん
市販の冷凍ごぼうを使えば超簡単。豚肉とごぼうを蒸してタレと和え、がっつり食べられるサラダにします。炊き込みごはんの具は舞茸・油揚げ・ネギとシンプルですが、油揚げのおかげで満足感が大きいです。舞茸のダシもいい仕事をしてくれますよ。
材料(2人分)
- お米 1合
- 油揚げ 1〜2枚
- 舞茸 1/2袋
- 豚薄切り肉 80gくらい
- 冷凍ごぼう ひと掴みくらい
- 刻みネギ 適量
- サラダ用野菜 適量
- めんつゆ2倍濃縮 大さじ2
- しょうゆ 大さじ1/2
- 焼肉のタレ、マヨネーズ、ごまドレッシング 適量
作り方
- 炊飯器の釜に研いだお米1合とめんつゆ大さじ2、しょうゆ大さじ1/2を入れ、水(分量外)を加えます。
- ほぐした舞茸と、1〜2cm幅にカットした油揚げを1にのせます。
(キッチンバサミを使うと洗い物が減って楽です) - 2の上にクッキングシートを敷いて、豚薄切り肉を広げ、冷凍ごぼうをのせます。
- さらに3の上に豚肉とごぼうを重ねていき、炊きます。
- 炊き上がったらクッキングシートを傾けて、豚肉とごぼうから出たダシ汁を少しだけ炊き込みごはんに加えます。その後、クッキングシートごと豚肉とごぼうを取り出し、炊き込みごはんはよく混ぜます。
- ごぼうと豚肉をお皿に移して、「焼肉のタレ:ごまドレッシング:マヨネーズ=2:2:1」を加えてよく和えます。
- サラダを盛り付けて、そのうえに6をのせたら完成です。
豚肉とごぼうにしっかりと味がつくので、サラダに別途ドレッシングをかける必要はありません。
手順5でダシ汁を混ぜると炊き込みごはんの風味が増しますが、少しべちゃっとしてしまうので、そういった食感が苦手な場合はこの工程は省いても大丈夫です。
きのこのお味噌汁と鮭のシンプル和定食
炊飯器ひとつで魚・ごはん・お味噌汁のシンプルな和定食を作ります。鮭の味付けはアレンジできますし、お味噌汁の具も好きなものを足してOKです。
材料(2人分)
- お米 1合
- 鮭の切り身 2枚
- しめじ 1袋
- かつおぶし 大さじ1
- 酒 大さじ2
- 味噌 大さじ2弱
- お湯 300cc
作り方
- クッキングシートを広げ、鮭の切り身をのせて酒を大さじ2かけたら、キャンディのように包みます。
- 1とは別にクッキングシートを広げ、石突きを切り落としてほぐしたしめじをのせて、かつおぶしを大さじ1くらいかけたら、キャンディのように包みます。
- 炊飯器の釜に研いだお米と水(分量外)を入れたら、1と2を上にのせて、炊きます。
- 炊き上がる頃に、お椀2つにそれぞれ味噌大さじ1弱とお湯150ccを入れて、しっかり溶きます。
- 炊き上がったきのこをダシ汁ごと、4のお椀それぞれに入れます。鮭とごはんもそれぞれお皿に盛り付けて完成です。
手順2でしめじをほぐすとき、手で4つに割ってから石突きをキッチンバサミで切り落とすと、まな板を使わなくて済むので洗い物が減って楽です。
お味噌汁の具は何でもよいですが、きのこ類を入れておくとダシが効いてよりおいしくなります。薄味のお味噌汁がお好みの場合は、味噌の量を適宜減らしてくださいね。
このように、スイッチONして放置しておけば調理完了!という炊飯器。お米を炊くだけではありません。まさに、料理の手間を抜くのに役立つ「神器」です。すばらしい……。
お疲れの際には、ぜひともこのレシピを活用してささっと食事を済ませ、一分一秒でも長く寝てくださいませ!
※炊飯器を含めた、料理の手間を抜くために役立つ「三種の神器」はこちらの記事で紹介しています。
著者プロフィール
犬飼つな。「力尽きたときのための簡単ズボラ飯レシピ」の中の人です。疲れたときこそちゃんとしたごはんが食べたい派。初心者でも作れる簡単ズボラなレシピをこよなく愛しますが、(お財布が許してくれる限りで)外食も大好きです。