選び方・特集

「食品用ラップ」を使い比べ! ちぎりやすい&密着するのはどれ?

こんにちは、ペパーミントです。気温が高い&湿気の多い時期に突入したため、食品の保存が気になる季節ですよね。食品の保存、冷蔵、冷凍などに欠かせないキッチン用品といえば……何が思いつきますか?

そう、ラップです!

正しくは「食品用ラップフィルム」というこの製品、ほとんどのご家庭で使っているのではないでしょうか?

正しくは「食品用ラップフィルム」というこの製品、ほとんどのご家庭で使っているのではないでしょうか?

しかしスーパーやドラッグストアに行くと、いろんな種類のラップが並んでいますよね。あまり気にせずに選んで買っていたのですが、ときどき「このラップ、全然くっつかない!」「切りにくい……」と思うこともしばしば。使いやすいのはどれなんでしょう?

そこで今回は、キッチンに欠かせないラップを比較していきたいと思います!


ラップの違いは素材の違い

ラップの比較をする前に、ラップの豆知識を。
どれも同じように見えるラップですが、あまりに使い勝手が異なるものがあるので調べてみたところ、素材によって違いがありました。

材質は大きく分けて、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニル樹脂、ポリエチレンの3種類。素材や特徴を理解して、食材によって使い分けられるのが理想的です。

◆ポリ塩化ビニリデン(PVDC)

定番の製品ではこのあたりが該当します

定番の製品ではこのあたりが該当します

耐熱性が高く、食品の酸化や臭い移りを防いでくれる材質です。
丈夫で破れにくい素材ですが、添加物が入ったものが多く、また価格も高めです。肉や魚、臭いの強い漬物やカレーなどの食品への使用に適しています。

◆塩化ビニル樹脂(PVC)

一般にはそこまでなじみがないかもしれません

一般にはそこまでなじみがないかもしれません

高い密着性と透明度が高いのが特徴。伸縮性・耐久性もあるため、業務用によく使用されます。スーパーで売られているお肉のパックなどには、ほとんどこの素材のラップが使われています。

◆ポリエチレン(PE)

安価なものが多いです

安価なものが多いです

環境にやさしく、リーズナブルなものが多い半面、くっつきやすさや透明度などは劣ります。酸素を通しやすいため、収穫後に呼吸が必要な野菜や果物への使用に向いています。


同じように見えて、結構違いがあるのですね。
賢く使い分けられたらよりおいしく食品を保存できそうです!


7種類のラップを比較してみました

では本題のラップ比較にまいりましょう。今回、こんなラインアップで揃えてみました。よくドラッグストアやスーパーで見かけるものから、海外製の人気商品まで。


そして、比較項目はこちらです。
・ちぎりやすさ
・ラップ同士の密着度
・食器への密着感
・コスパ

キッチンで頻繁に登場するアイテムのため、「ちぎりやすさ」は必ず確認したいところですよね。そして、食品をそのまま包んだ際の「ラップ同士の密着度」については、こちらの豚肉を包んでみたいと思います。


また、食器に使用した際の「食器への密着感」、消耗品のため「コスパ」もチェックしていきます! 値段は、記事執筆時に検索した価格.comの最安価格で計算しています。

ではさっそく見ていきましょう。


■旭化成 サランラップ

材質:ポリ塩化ビニリデン耐熱温度:140℃、耐冷温度:−60℃

材質:ポリ塩化ビニリデン、耐熱温度:140℃、耐冷温度:-60℃


ラップといえばこれ! というくらい昔からある定番の「サランラップ」。私もよく使っています。改めて比べてみると、ちぎりやすさは抜群! 気持ちいいくらいにストレスなくカットできます。そして材質はポリ塩化ビニリデンのため、厚みもそれなりにあってしっかりした質感。食器に対してよりも、食材に対して使うほうが密着性がよさそうかなと感じました。耐熱も耐冷もレンジが広いため、さまざまな用途に使える万能タイプかと思います。

・ちぎりやすさ   :★★★★★
・ラップ同士の密着度:★★★★★
・食器への密着感  :★★★★☆
・コスパ:1mあたり5.78円 ※調査時価格:289円


■クレハ NEWクレラップ

材質:ポリ塩化ビニリデン耐熱温度:140℃、耐冷温度:-60℃

材質:ポリ塩化ビニリデン、耐熱温度:140℃、耐冷温度:-60℃


こちらもCMでおなじみ! 「NEWクレラップ」ですね。使い心地、ちぎった感じなどもサランラップと同じレベルで、パッケージを見なければ区別できないレベルでクオリティが近い印象です。しかし、よく比べてみると、NEWクレラップのほうがややラップ同士の密着度が弱いような気もしました。また、カットの際に箱を手で握った感じは、NEWクレラップのほうが滑りにくく取り回しやすい印象。

・ちぎりやすさ   :★★★★★
・ラップ同士の密着度:★★★★☆
・食器への密着感  :★★★★☆
・コスパ:1mあたり6.06円  ※調査時価格:303円


■宇部フィルム NEWポリラップ

材質:ポリエチレン耐熱温度:110℃、耐冷温度:-70℃

材質:ポリエチレン、耐熱温度:110℃、耐冷温度:-70℃


添加物を使用していないポリエチレン性の「ポリラップ」! これも昔からよく見かける商品ですね。ポリ塩化ビニリデンや塩化ビニル樹脂に比べると、やはりポリエチレンのものは薄く、ちぎりやすさや密着度も劣るのが正直なところ。ツルツルというよりはサラサラとした質感でした。ぴっちりと保存したいときには向きませんが、野菜などの呼吸が必要なものとは相性がいいです。燃やしてもダイオキシンが発生しないので環境にやさしく、またリーズナブル。コスパは抜群にGOOD!

・ちぎりやすさ   :★★★☆☆
・ラップ同士の密着度:★★★☆☆
・食器への密着感  :★★★☆☆
・コスパ:1mあたり2.36円 ※調査時価格:118円


■リケンファブロ リケンラップ

材質:塩化ビニル樹脂耐熱温度:130℃、耐冷温度:-60℃

材質:塩化ビニル樹脂、耐熱温度:130℃、耐冷温度:-60℃


たっぷり100mも入った、塩化ビニル樹脂性の「リケンラップ」。業務用タイプもあります。塩化ビニル樹脂ですが、ポリエチレンでできたポリラップに使い心地は似ていました。ポリラップとの大きな違いはちぎりやすさですかね。塩化ビニル樹脂はハリもあるため、あまりクシャっとならず、カットしやすかったです! また、ラップ同士の密着感もかなりいいなと思いました。伸縮性がある素材なので破れにくいのもポイント。100m入りなのでコスパもかなりいいです!

・ちぎりやすさ   :★★★★☆
・ラップ同士の密着度:★★★★★
・食器への密着感  :★★★★☆
・コスパ:1mあたり2.67円 ※調査時価格:267円


■ダイソー お徳用フードラップ

材質:ポリエチレン耐熱温度:110℃、耐冷温度:-30℃

材質:ポリエチレン、耐熱温度:110℃、耐冷温度:-30℃


今回は100円ショップ、ダイソーのものも比較に入れてみました。ポリラップと同じく安価なポリエチレン製。今回比較したラップの中では一番薄かったです。そしてやはり、ちぎりにくい……。ただ、薄めな質感ということもあり、ラップ同士の密着度はなかなかです! また1mあたり2円を切っているという最良コスパのため、とにかく安く済ませたい方には十分なクオリティかと。

・ちぎりやすさ   :★★☆☆☆
・ラップ同士の密着度:★★★★☆
・食器への密着感  :★★★☆☆
・コスパ:1mあたり1.96円 ※調査時価格:108円


■GLAD プレス&シール

材質:ポリエチレン耐熱温度:100℃、耐冷温度:-23℃

材質:ポリエチレン、耐熱温度:100℃、耐冷温度:-23℃

コストコで人気の「GLAD プレス&シール」。このラップに関しては使い方が特殊なので使用方法をまず説明します!

通常のツルツルしたラップとは異なり、表面に凸凹があります

通常のツルツルしたラップとは異なり、表面に凸凹があります

普通のラップは表裏がありませんが、こちらは表が凸凹、内側はシールのようにベタッとしているので、間違えないようにしましょう。

しかしまぁ、とーってもちぎりにくいというのが本音……!

しかしまぁ、とーってもちぎりにくいというのが本音……!

普通のラップのように箱を持って切るのは同じですが、箱がかなり大きいため、結構力がいります。箱側にかなり重心を持って行って、思いっきりちぎりましょう

では使い方をご説明します。食器に使用する場合は、接着面を指でしっかりとギュギュっと押さえます。

コップに使用。指先でしっかり押さえる

コップに使用。指先でしっかり押さえる

そして余った部分は側面にしっかり密着させると……

そして余った部分は側面にしっかり密着させると……

なんとグラスを傾けても中身がこぼれてきません!

なんとグラスを傾けても中身がこぼれてきません!

そう、このラップは密着性がすごいんです!

食材に直接使用する際は、食材よりも結構大きめに(倍以上くらい)シートを切り、接着面を上にして食材を置きます。

食材を覆い尽くすようにシートを折りたたみます

食材を覆い尽くすようにシートを折りたたみます

食材の周りを指でギュギュっと押さえて、空気を抜くようにシート同士をしっかりと密着させます。真空パックを作るようなイメージで!

しっかり密着できたら、余分な部分をハサミでカットしてパッケージング完成。こんな感じで空気をほとんど入れずに、完全密閉に近い形で保存できてしまうのです!

冷凍した場合の解凍方法ですが、そのまま水を張ったボールなどに入れて2時間程度待てば自然に解凍されます! レンジを使う場合は少しシール部分を外してレンジへ。シールを開けすぎなければ肉汁があふれず洗い物も少ないためこれまたいいですね♪

海外製のためか、ちぎりやすさはかなり微妙なのですが、ラップ同士の密着度や食器への密着感はめちゃくちゃいいですね。コスパはよくないですが、しっかり保存したいときに向いていると思います。これのもっと小さなサイズがあればすごく使いやすいのになぁ……。

・ちぎりやすさ   :★★☆☆☆
・ラップ同士の密着度:★★★★★
・食器への密着感  :★★★★★
・コスパ:1mあたり17円 ※調査時価格:738円


■カークランドシグネチャー ストレッチタイト フードラップ

材質:塩化ビニル樹脂耐熱温度:82度、耐冷温度:-51度

材質:塩化ビニル樹脂、耐熱温度:82℃、耐冷温度:-51℃

こちらの商品もコストコで人気。これもすんごく大きくて重いため、通常の使い方では女性や力の弱い人には正直使いにくいです……! 重さは1kgを超えているのではないでしょうか。

でも安心してください。なんと芯の中にスライドカッターというものが隠れて入っているんです!

ずっと気付かない人もいそうですよね

ずっと気付かない人もいそうですよね

このような形状のスライダー。カッター部分に上からはめこむだけでOK

このような形状のスライダー。カッター部分に上からはめこむだけでOK

これがあると、本体を置いたまま上手にカットすることができるんです。

ラップを引っ張り出し……

ラップを引っ張り出し……

スライドカッターをスーーーーーっとスライドさせれば

スライドカッターをスーーーーーっとスライドさせれば

簡単にラップが切れました! なかなか使いやすいです

簡単にラップが切れました! なかなか使いやすいです

日本の製品でももっとこのスライドカッター方式を取り入れたものがあってもいいのになぁと思いました。また、重いだけあって、このラップは750フィート(約228m60cm)もの長さがあります。(3000フィートの商品もあり!) 使い切るまでに相当な時間がかかるかと! 頻繁に買い換える必要がなくていいですね。


ただ、耐熱温度が82℃のため、レンジでの使用はNGです。オールマイティに使いたい方には難しそうですが、ラップ自体は結構伸縮もするため、使い心地はよかったですよ♪

・ちぎりやすさ:カッター使用時     ★☆☆☆☆
        スライドカッター使用時 ★★★☆☆
・ラップ同士の密着度:★★★★☆
・食器への密着感  :★★★★☆
・コスパ:1mあたり5.62円 ※調査時価格:1,285円


まとめ

今回7製品を比べてみましたが、材質によってかなり違いがあるのがよ〜くわかりました。
ペパーミント的にはラップをほぼ毎日使うので、やはりちぎりやすいのはかなり大事な要素。その点で、ポリ塩化ビニリデン製の定番ラップはちぎりやすさ、頑丈さがやっぱり優秀でしたね。

ポリ塩化ビニリデン製の定番ラップ

ポリ塩化ビニリデン製の定番ラップ

ただ用途は人それぞれだとも思います。ペパーミントは個人的にカレーをよく作るんですが、やっぱりそういう料理の保存には臭いを通しにくいポリ塩化ビニリデンのラップが重宝されるでしょう! お家の冷蔵庫・冷凍庫を見て、普段どんな食材や料理を頻繁に保存しているか考えて選ぶのがよさそうですね。ぜひ参考にしてみてください!

ペパーミント
Writer
ペパーミント
幼少期から音楽や絵に囲まれながら育ち、地元の名古屋や東京都内を中心に活動するミュージシャン。美容&日用品のレビューを中心に、読者から共感を集めるライターとして幅広く活動しています。 (オフィシャルサイト:http://www.peppermint-web.net/)
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しえる(編集部)
自称ポテチマスター。ポテトチップスを中心に、1日3袋のスナック菓子をたいらげるお菓子狂。お菓子関係のグッズやちょっと変わったアイテムをメインに紹介します。
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