2022年6月7日 更新

まさか「リセットボタンで生き返る」!?子どもに命の尊さを教えるには?

ゲームやテレビなどの影響で「人は生き返る」と信じている子どもが多いと聞きます。こちらの記事では、子どもに命の尊さを教えるにはどうしたらよいのか、筆者が学童指導員をやっていた時の知識と経験をもとにお届けしていきます。とても難しい問題ですが、ご参考にしていただければ幸いです。

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昔、『たまごっち』が大ブームになりました。入手困難で、筆者も手に入れるために並んだことが思い出されます。
『たまごっち』はミニゲームを兼ねた育成型携帯ゲームです。ことにより「親」となり、ご飯をあげたり、便を処理したり、お世話して自分の手で育てていくゲームでした。

『たまごっち』にはリセットボタンがあり、死んでもすぐに次の生き物が生まれてきます。
そのあとブームになった『デジモン』もそうでした。
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ゲームのリセットボタンで生き返るのは、このあたりが始まりなような気がします。

それから子どもたちにとってゲームはますます身近になり、その影響からか、ゲームと同じようにリセットボタンを押せば、人間も復活するものだと思い込んでいる子供が出てきてしまうのも何ら不思議なことではないのかもしれません。
今の小学校低学年あたりから遊んでいるゲームやカードの内容を見てみると、戦闘関連の物が多く、死んだ相手が「蘇生カード」や「リセットボタン」で生き返るという仕組みになっているようです。
テレビゲームでは、リセットボタンを押せば主人公は何度でも生き返ります。
「バーチャルとリアルの区別くらいはできるはず」と誰も思うでしょうが、「バーチャル以外の死」を実感として持っている子どもは意外に少ないのが現実なのかもしれません。
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原因と考えられること②核家族化などにより死の現実が身近でなくなった

核家族化や生活環境の変化等から、身近な死に触れることが少ない環境で、子どもが家庭や学校において死について学ぶ機会は少ないといえます。
筆者は小学校2年生の時に、よく遊んでくれた祖母が亡くなりました。

この時、母が泣いたのを初めて見ましたし、お葬式にはたくさんの人が来て、とても怖いことが起きたんだ、大変なことが起きたんだと子どもながらに思ったものです。

祖母の死を体験し、火葬され、遺骨になって戻ってきたのを見た時に、死の意味を幼い子どもなりに感じとっていたのでしょうね。

昨今は平均寿命も延びており、幼い時に祖父母が亡くなるという経験をする子供はかなり少ないでしょう。
幼い子どもの自分の身近な人が亡くなる、という経験は本当にまれなことになってきています。

子どもが祖父母の死を経験する年齢の平均を見ると、18歳のようです。価値観はすでに出来上がってしまっている年齢ですね。
このグラフを見ると、子どもが祖父母の死に向き合う平均年...

このグラフを見ると、子どもが祖父母の死に向き合う平均年齢は約18歳。

子どもは高校卒業後くらいに祖父母の死と向き合うのが、日本の平均値です。
この年齢であれば、人の死がどんなものか理解はできますが、その死を真剣に考えているかは個人差でもあります。
もし機会があるとしたなら、通夜や葬儀に一緒に参列することを提案します。

通夜や葬儀は、死者との最後の別れの場であり、命の意味を考え伝えていく場でもあると考えます。
死に対する現実感、悲しみに暮れている家族の気持ちを肌で感じることでしょう。

いつかは親も自分もこうして死んでいく、命ってなんだろう、人って?そういった思いを感じさせてくれるかもしれません。
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また、入院のお見舞いには、迷惑にならなければ子どもも連れて行きましょう。
患者が病室で寝ている姿、ギブスや車椅子に乗って移動する姿、包帯をしたり点滴瓶を下げて歩く人の姿を見せることも貴重な経験です。
親は子どもにそうした場面に出会う機会を与えてほしいと思います。
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