2023年3月11日 更新

「津波てんでんこ」って知ってる?その深い意味は家族の絆と信頼

津波てんでんこ(つなみてんでんこ)は、津波からの避難についての標語ないし合い言葉です。共倒れせずに未来へ命をつなぐための言葉。3.11を迎えるにあたり、家族でもう一度防災について話し合ってみてはいかがでしょうか。

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「津波てんでんこ」と聞いてほとんどの人が思い浮かべるのがこれだと思います。

過去の津波で親が子どもを、子どもが親を助けようとして一家全滅した悲劇が多かったといいます。
そんな悲しいことはないから、何とか防ぐために生まれた言葉といえます。

例え家族であっても構わずにげろ!という意味です。

2.他者避難促進(逃げる行動を見みると、他の人も逃げてくれる)

先ほどの「人のことに構うな!」という教えを実践し、あなたが一番最初に一目散に逃げ出すことで、それを見た周りの人も「逃げたほうがいい」と考え、避難を始める効果があるとされています。
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3.相互信頼の事前醸成(大切な人を信じて逃げる)

津波てんでんこの最大の意味はこれですが、最近は1つ目の「人のことに構うな!」が一人歩きし、利己主義だという批判もあります。

でもそれは間違っています。

お互いが津波から逃げる方法を身につけていて、必ず行動に移していると信じる!
安否が確認できなくても、安全が確認できた後で出会う手段を決めている!

「津波てんでんこ」の本当の意味は、

いざという時に、何の連絡もなくても必ず避難していると確信できるくらいの信頼関係を日頃から築いておこうね。

というものなんです。

4.生存者の自責感の低減(大事な人が亡くなったとしても、ばらばらに逃げることを相手が望んでいたと思えるようにする)

できることなら、このような事態にならないことが一番。
しかし、過去の津波ではどうしても犠牲者が出てしまっています。

そこで、「津波てんでんこ」について事前に話し合っていれば、罪悪感を多少は軽減できるのではないかという考え方です。
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これを成功させるためには

家族の間で、普段から約束しておくことが大切です。

海の近くで大地震が起きたら、その場所をスタート地点にして、「よーい、どん」で逃げることを、家族で約束しておきましょう。

注目ニュース90秒 「津波てんでんこ」 7割が知らず - YouTube

「津波が来たら家族ら他人に構わずすぐに避難しろ」などと説く「津波てんでんこ」。岩手の方言で「てんでんばらばらに」の意味だ。東洋大の及川康准教授が実施したアンケート調査によると、この言葉を「聞いたことがない」と回答した人が7割にのぼった。また、聞いたことがない人に意味を知らせたうえで改めて質問したところ、7割が「自...

最後に

「津波てんでんこ」は、

・バラバラに逃げるという行動をするにあたり
・いざという時の”一瞬の判断”ができるようにしておく
・それが、ひとりひとりの命を助けることにつながる

そのためには、日頃より、大切な人と災害について話し合ったり、イメージしておくということ。

ですがそれってなかなか難しいですよね。
だからこそ、3月11日の節目を、考える機会として大切にしてもらいたいと思います。
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