2022年3月6日 更新

宮城県沿岸部在住の東日本大震災での体験談~地震・避難~

東日本大震災より11年が経とうとしています。こちらの記事は、宮城県沿岸部在住・筆者の東日本大震災の体験談を書いています。どこでどう地震を体験したか、そして高台に逃げた経緯、津波のことなど時系列で事細かく記しました。

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私は宮城県の沿岸部に住んでいます。海までは歩いて10分もかからないほど。

夏場、窓を開けて夜寝ていると、波の音が聞こえてくる近さです。

これを人に言うと、いいねー、うらやましいとよく言われたものです、あの日までは…。

11年前の東日本大震災時、自宅駐車場まで津波が到来し、私の勤務していた会社は流され、夫の車も津波をかぶってダメになってしまいましたが、自分と家族の命、自宅は無事でした。

その時の経験談を、この場をお借りしてお話させていただきます。
この記事をご覧になっている方が何かを感じ、少しでも防災のお役に立てれば幸いです。
希望の鐘

希望の鐘

この鐘は、東日本大震災時の津波により発生したがれきで作られています。

※筆者撮影
当時の家族は、夫、子供二人、そして私の母親です。

子どもは男の子二人(大学生、中学生)、母は病気をきっかけに引き取り、同居をし始めて2年目くらいだったかと思います。

2011.3.11という日

2011年3月11日、金曜日。

私はいつもなら金曜日は出勤なのですが、たまたまこの日は年度末の調整で休みを取っていました。

これが私にとって、とてもラッキーなことでした。
当時、子どもは中学生と大学生。中学生の次男は、午前授業でお昼過ぎに自宅に帰ってきていました。
夫は仕事で会社、大学生の長男は学校に行っていて、地震時、自宅にいたのは、私と中学生の息子、母、そして猫一匹です。
震災遺構 仙台市立荒浜小学校 外観 ※筆者撮影

震災遺構 仙台市立荒浜小学校 外観 ※筆者撮影

来館者に防災・減災の意識を高めていただくことを目的に、2011年(平成23年)3月11日の東日本大震災で被災した仙台市立荒浜小学校の校舎を、震災遺構として保存・整備した施設です。
被災の痕跡を鮮明に残す校舎と、被災直後の様子を示す展示等により、来館者に津波の威力や脅威を実感できる場として公開しています。
忘れもしない、あの時のこと。

私と次男は少し遅めの昼食をとり、私はリビングでこたつに入りながらのんびり、ひとりテレビを見ていた時に、あの揺れが始まりました。

今までに経験したことのない恐怖

私は生まれも育ちも仙台で、幼いころには宮城県沖地震も経験しており、地震慣れしているというか、震度4くらいまでは特に慌てるということはありません。

ほとんどの震度も当たりますし、震源地が近いか遠いかまで区別できるほどです。

これは宮城県に長く住んでいる人たちのあるあるではないかと思います。

しかしそんな私でも、この時ばかりは尋常ではない揺れで、かなりパニックになり恐怖を感じました。

家が潰れてしまうのではないか、この世の終わりが来たかと真剣に思いました。

手も足も震え動けなくなり、腰が抜けるということはああいうことなんでしょうね。
震災遺構 仙台市立荒浜小学校 教室内部 ※筆者撮影

震災遺構 仙台市立荒浜小学校 教室内部 ※筆者撮影

校舎の被害状況や被災直後の様子を伝える写真などから、荒浜小学校を襲った津波の脅威を知ることができます。
家は海が近いので、大きな地震が来たら高台に逃げるということは、常日ごろからずっと意識の中にありました。

でも実際、地震で本当に逃げるという行動を起こしたのはこの時が初めてです。

とにかく高台に避難しなければと、母と次男に声をかけ、台所にあったペットボトルの水1本とパンを持ち車に乗り込みました。
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